約束するよ。
ひとりにしないって。

ドクターバク DR.BAKU

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introduction絵本『ドクターバク』で伝えたいこと

絵本『ドクターバク』で伝えたいこと

「苦しんだっていいさ。
   ぼくが必ずそばにいる」

ドクターバクとは、心にできたクラヤ実を食べることができるお医者さんです。
そんな主人公を元に描かれるこの物語は、たいせつな人がもしも苦しみの真っ只中にいるとしたら、近くにいる人間として、
「力になりたいけど、一体なにができるだろう?」
「力になるって、本当はどういう意味なんだろう?」
といったことをテーマに書き上げたものです。

そして、本作を手がけていく中で作者が気づいたのは、
「どれだけ苦しいかなんて、
本人しか分からなくて、
そばにいる人間が、
その苦しみをどうにかしようとすること自体、
間違っているのかもしれない」

ということです。

つまり、
「あなたがどれだけ辛いか分かるよ」とか
「僕がその苦しみを半分、もらうよ」とか
そんな言葉をよく投げかけてしまいがちだけど、本当はどれだけ辛いかなんて本人にしか分かりえないし、苦しみを半分こにするなんて不可能なのです。

だからこそできることは、
「何があっても、
かならずそばにいる!」

「ひとりにしないよ」
と約束を交わすことだと思いました。

そこでこの物語を通して
「かならずあなたのそばにいます」
「ドクターバクはあなたを1人にしません」
といったメッセージを伝えたいと思っています。

story絵本『ドクターバク』ってどんな物語?

絵本『ドクターバク』ってどんな物語?

ドクターバクは、お医者さんと言っても、お薬を出したり、手術をしたりといった一般的なお医者さんが行う治療はしません。

その代わり、ドクターバクは、街のみんなの心にできたクラヤ実(苦しみや悲しみ)を食べることができます。
そのおかげで、嫌なことがあって落ち込んでいた街のみんなも、嘘のように元気になって家に帰っていきます。

だからこそ、この街に住む動物たちは、何か辛いことがあるたびにこのお医者さんを頼るのでした。

しかし、しばらくして街に異変が起き始めます。
ドクターバクが元気にしたはずなのに病院の行列は減っていくどころか、どんどん伸びていったのです!
それにほんの些細なことでも街のみんなはドクターバクを頼るようになってしまいました。

ドクターバクは、この状況の原因究明にあたります。
ただ、その理由が簡単には見つかることはなく、とうとう街の住民がひとり、クラヤ実に完全に食べられてしまうのでした。

大切な仲間をとんでもない状況に追い込んでしまった悲しみ。
そして、救えなかった悔しさで、ドクターバクまでもが、クラヤ実の世界へと飲み込まれてしまいます。

ただし、その世界でドクターバクは
「クラヤ実の真実」
を知ることになるのでした。

そして、ドクターバクはこれまでのまちがいに気づくのです。

「大事なのは、
クラヤ実を食べてあげることじゃない。
街のみんなの力を信じて、
ずっとそばにいてあげることだ」と。

こうしてドクターバクは、ひとつの覚悟を決めるのでした。

「どんなときも、
僕がみんなのそばにいる!」

これは決して、街のみんなを
「苦しませない」
という意味ではありません。
ドクターバクはどんなに苦しいことがあっても、ただただそばを離れないと、そう胸に誓ったのです。

voice絵本『ドクターバク』を読んだ人の感想

絵本『ドクターバク』を読んだ人の感想

ただただ涙です。心臓を鷲掴みにされたあとに涙があふれました。

50代・女性

私はもう大人なので、本当の子ども目線でこの作品を読むことができないのが少し残念です。でもこれを読んだ子どもたちの隣にはきっと、バク先生がいてくれて、辛い時やふとした時に絵本のシーンを思い出すんだろうなと思います。
子どもの頃の自分にも見せてあげたいです。

30代・女性

バク先生みたいに苦しみをいつも取ってくれて、いつもそばにいてくれる、そんな人実際にいたらいいなぁって思いました。

40代・女性

「苦しまなくていいよ」から、「苦しんだっていいさ」に変わったところにグッときました。

40代・女性

街のみんなの力を信じようと誓い、「苦しんだっていいさ、ぼくがそばにいる」この言葉にジーンときました。子育てに通じるものがあります。大きな愛を感じました。

40代・女性

staff絵本『ドクターバク』を作ったのはどんな人?

絵本『ドクターバク』を作ったのはどんな人?

ゴキンジョ

「表現をしたい人、したいと気づいた人、見たい人の待ち合わせ場所」の総称。現在は主に、オンラインコミュニティ「ゴキンジョ」にて同じ思いを持った数多くの仲間たちとゴキンジョ付き合いをしている。

絵・物語 長砂ヒロ

Twitter

イラストレーター、作家。アカデミー賞ノミネート作品『ダムキーパー』に、リードペインターとして参加。NETFLIX配信『Go!Go!コリー・カーソン』ではリードカラーアーティストとして参加。現在は独立しプロジェクト「ゴキンジョ」の立ち上げや、ポケモンなどのアニメ作品に参加したり、作品制作、アーティストの育成プロデュースなど精力的に活動中。ゴキンジョの住民のひとり。

文・物語 岸田健児

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書籍編集者。39万部突破の『かみさまは小学5年生』や、シリーズ累計30万部を超える『神さまとのおしゃべり』、9万部突破の『命日占い』など、数々のベストセラーを手掛ける。祖父が古本屋を経営していたことから、本作りに興味を持ち、現在の職業に携わることとなった。ゴキンジョの住民のひとり。

ドクターバク さく・ゴキンジョ
								サンマーク出版

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